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特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著
美容外科埋没法重瞼術後の眼合併症とその治療
著者: 兼森良和1
所属機関: 1カネモリ眼科形成外科クリニック
ページ範囲:P.297 - P.301
文献購入ページに移動要約 目的:美容の目的で重瞼手術を受けた後に眼合併症が発症し,治療を必要とした3症例の報告。症例:3症例はいずれも女性で,それぞれ37,56,64歳であった。眼合併症が生じたのは,重瞼手術からそれぞれ10年,20年,2週後であった。第1例は瞼結膜の瘢痕のために眼痛と球結膜出血が生じ,副腎皮質ステロイドの点眼で軽快した。第2例は瞼板への縫合糸が露出し,経結膜的な縫合糸の摘出で治癒した。第3例は瞼結膜の炎症反応として眼痛が生じ,経皮膚的に縫合糸を除去することで治癒が得られた。結論:美容整形として縫合糸を埋没する重瞼手術を受けた後に生じた合併症で,縫合糸の露出や瞼結膜の炎症が強いときには,積極的に縫合糸を除去すべきである。
参考文献
1)市田正成:埋没式重瞼術.スキル美容外科手術アトラスⅠ(眼瞼).25-48,文光堂,東京,2003
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