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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻3号

2008年03月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

0.1%塩酸オロパタジン点眼液の有効性の評価

著者: 角環1 福島敦樹1 澤田桂1 吉田理1 吉田博則12 三好輝行2 上野脩幸1

所属機関: 1高知大学医学部眼科学講座 2三好眼科

ページ範囲:P.313 - P.317

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要約 目的:季節性アレルギー性結膜炎に対する0.1%塩酸オロパタジン点眼液の効果の評価。対象と方法:スギ花粉による季節性アレルギー性結膜炎の既往があり,前年度に抗アレルギー点眼薬のみで治療を受けた17例34眼を対象とした。男性3例と女性14例で,年齢は23~79歳(平均46歳)であり,5例がコンタクトレンズを装用していた。スギ花粉が飛散しはじめて眼搔痒感が出現してから塩酸オロパタジン点眼液を1日4回点眼させた。治療効果はビジュアルアナログスケール(VAS)で自覚症状について前年度と比較させ,球結膜と瞼結膜の充血,球結膜浮腫を他覚的に評価した。結果:点眼開始時の眼搔痒感スコア6.59は,点眼開始後2週間で3.91に有意に低下した。搔痒感に対する抑制効果の平均スコアは前年度治療薬が4.63であるのに対し,7.38に有意に上昇した。結論:塩酸オロパタジン点眼液は季節性アレルギー性結膜炎に対して有効であり,患者の使用感と満足度が高かった。

参考文献

1)中川やよい・東田みち代:スギ花粉性結膜炎患者の受診パターンと治療のコンプライアンス―眼科外来患者アンケート調査.あたらしい眼科 19:113-120,2002
2)大野重昭・内尾英一・海老原伸行・他:アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン.日眼会誌 110:99-140,2006
受容体拮抗点眼薬とメディエーター遊離抑制点眼薬の効果について.あたらしい眼科 22:225-229,2005
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5)Yanni JM, Miller ST, Gamache DA et al:Comparative effects of topical ocular anti-allergy drugs on human conjunctival mast cells. Ann Allergy Asthma Immunol 79:541-545, 1997
6)Cook EB, Stahl JL, Barney NP et al:Olopatadine inhibits TNFα release from human conjunctival mast cells. Ann Allergy Asthma Immunol 84:504-508, 2000
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9)黒澤亜希・呉竹容子・立原 蘭・他:抗アレルギー点眼薬の刺激感の比較.眼紀 52:220-223,2001
10)長瀧重智:点眼薬の基本と留意点.臨眼 46:9-11,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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