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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻3号

2008年03月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

白内障単独手術,白内障硝子体同時手術における術前後の前房深度の変化

著者: 草野真央1 上松聖典1 築城英子1 隈上武志1 北岡隆1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科眼科・視覚科学教室

ページ範囲:P.351 - P.355

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要約 目的:白内障手術を単独または硝子体手術と同時に行ったときの前房深度の変化の報告。症例と方法:本研究は過去1年間に手術を行った79例83眼を対象とした。男性54眼,女性29眼で,年齢は39~83歳(平均66歳)であった。白内障手術はすべて水晶体乳化吸引術に眼内レンズ挿入術を併用して行った。白内障単独手術は20眼に行い,同時に20ゲージでの硝子体手術を40眼,23または25ゲージでの硝子体手術を23眼に行った。前房深度はPentacam(R)で測定した。結果:術後の前房深度は3群すべてで有意に増加した(各p<0.001)。術前に対する術後の前房深度比(mm)は,白内障単独手術群で1.27±0.80,20ゲージ群で1.69±0.54,23または25ゲージ群で1.47±0.52であった。前房深度増加率は,これら3群の間に有意差はなかった。結論:白内障手術を単独または硝子体手術と同時に行ったとき,術後の前房深度は有意に増加する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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