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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻4号

2008年04月発行

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(2)

原著

チオテパ点眼を用いた翼状片手術成績

著者: 二階堂寛俊1

所属機関: 1二階堂眼科

ページ範囲:P.513 - P.515

文献概要

要約 目的:術後にチオテパ点眼を用いた翼状片手術の報告。対象と方法:過去6年間に行った翼状片手術のうち,術後1年以上経過を追えた143例160眼を対象とした。術式として,結膜下組織の広範な切除を伴う単純切除を行った。術後,抗菌薬とステロイド点眼とともに,チオテパを1日4回点眼し,平均20.2日使用した。輪部を越えて角膜に血管を伴う組織が侵入したものを再発とした。結果:再発が4眼(2.5%)にあり,うち1眼は再手術を必要とした。チオテパ点眼による副作用はなく,術後の瘢痕形成や充血はなく,美容的にもほとんど問題がなかった。結論:翼状片の単純切除後にチオテパを点眼することにより,再発をほとんど防ぐことができた。

参考文献

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2)安樂礼子・園田祥三・内野英輔・他:羊膜移植を併用した再発翼状片の手術成績.あたらしい眼科 21:1117-1121,2004
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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