文献詳細
書評
がん医療におけるコミュニケーション・スキル―悪い知らせをどう伝えるか[DVD付] フリーアクセス
著者: 西條長宏1
所属機関: 1国立がんセンター東病院
ページ範囲:P.553 - P.553
文献概要
一方,わが国ではそのような教育や訓練を受けたことのある医師はほとんどなく,約半数が「悪い知らせを伝えている医師に立ち合った」程度の“教育”しか受けていない。すなわち,患者とのコミュニケーションは経験に基づくものという考え方が中心になってきていた。しかし,それではやっていることが正しいか否か誰も自信がもてないとともに,いたずらに患者の不安感をあおったり,逆に過度の希望を抱かせたりしていることも多いと推定される。というのは,医師が自信のない場合は,患者にとって好ましくない情報についての議論を避けたり,根拠のない楽観論をせざるをえないことによる。結果的に医師は疲弊し,ますますストレスを感じる状態に陥ってしまう。
掲載誌情報