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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻5号

2008年05月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

両眼白内障手術後に強い前囊収縮が起こり両眼とも眼内レンズ支持部が変形した1例

著者: 足立徹1 添田祐1

所属機関: 1市立三次中央病院眼科

ページ範囲:P.697 - P.702

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要約 目的:両眼への白内障手術後に眼内レンズの支持部が変形した症例の報告。症例:75歳女性が両眼に超音波乳化吸引術とアクリル製シングルピース眼内レンズの挿入術を受けた。術後の矯正視力は右眼が0.8~1.0,左眼が0.9~1.2の間にあった。3年後に左右眼とも矯正視力が0.4に低下していた。後発白内障と強い前囊収縮が両眼にあり,眼内レンズの支持部が変形していた。Nd:YAGレーザーで前囊と後囊を切開し,矯正視力は左右とも1.0になった。結論:アクリル製シングルピース眼内レンズの支持部は柔軟で張力が弱いので,強い前囊収縮があると,支持部が変形することがある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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