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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻6号

2008年06月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

原発閉塞隅角緑内障に対する隅角癒着解離術の成績

著者: 扇谷晋1 星合繁1 花田斉久1 鈴木茂揮1 栗原秀行1 稲見達也2

所属機関: 1栗原眼科病院 2杏林大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.935 - P.938

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要約 目的:原発閉塞隅角緑内障に対する隅角癒着解離術の成績の報告。対象と方法:過去5年間に隅角癒着解離術を行った24例27眼を対象とした。男性11眼,女性16眼であり,年齢は平均71.0±7.3歳であった。全例に水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を併用し,レーザー隅角形成術は行っていない。結果:眼圧平均は術前31.1±10.9mmHg,術後15.1±3.9mmHgであり,25眼(93%)が成功と判定された。術後の投薬状況は,改善または同等であった。術後合併症としての眼圧上昇または角膜浮腫は,そのほとんどが1週間以内に改善した。24か月以上経過を追えた症例で眼圧が21mmHg以下に維持できたのは,急性発作があった例では95%,なかった例では85%であった。結論:原発閉塞隅角緑内障に対する隅角癒着解離術は,水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術の併用で効果があり,急性緑内障発作がある症例ではさらに有効である。

参考文献

1)Campbell DG, Vela A:Modern goniosynechialysis for the treatment of synechial angle-closure glaucoma. Ophthalmology 91:1052-1060, 1984
2)永田 誠・彌津直久:隅角癒着解離術.第1報.臨眼 39:707-710,1985
3)永田 誠・彌津直久:隅角癒着解離術.第2報.眼臨 80:2149-2152,1986
4)木原英二・小林順子・石田俊雄・他:隅角癒着解離術の長期成績.眼臨 90:578-581,1996
5)河野眞一郎:白内障+緑内障同時手術:その効果と問題点.PEA+IOL+隅角癒着解離術.眼科手術 10:137-141,1997
6)池田陽子・勝島晴美・曽根 聡・他:慢性閉塞隅角緑内障に対する隅角癒着解離術の手術成績.あたらしい眼科 15:1755-1757,1998
7)西嶋一晃・春日勇三・山川良治:隅角癒着解離術(GSL)後の長期成績.眼科手術 11:525-528,1998
8)春田雅俊・山川良治・青山裕美子・他:Ultrasound biomicroscopeによる隅角癒着解離術.レーザー隅角形成術施行後の隅角形態の観察.臨眼 53:1563-1567,1999
9)谷原秀信・永田 誠:隅角癒着解離術後の房水流出抵抗.日眼会誌 92:326-329,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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