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連載 網膜硝子体手術手技・19
開放性眼外傷(4)眼球破裂,強角膜穿孔の1次縫合
著者: 浅見哲1 寺崎浩子1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座眼科学
ページ範囲:P.1054 - P.1059
文献購入ページに移動穿孔(laceration)は,鋭的外力が直接眼球表面に当たり生じたもので,主に前眼部を中心とした強角膜穿孔となることが多いため診断をつけやすい。
一方,破裂(rupture)は,鈍的外力により眼内圧が上昇し,間接的に眼球壁が裂けるもので,上方の筋付着部から赤道部にかけて輪部に並行に創が生じることが多いため,結膜下の潜在的な創となり,術前に診断をつけるのが困難なこともしばしばある(図1)。結膜出血,前房出血,極端な低眼圧などの所見があれば破裂を積極的に疑い,観血的に確認する必要がある。
開放性眼外傷は,既に1次縫合されてから硝子体術者のところに紹介されることが多い。1次縫合のできいかんが2次的硝子体手術のやりやすさを左右する場合も多く,1次縫合をしっかり行うことは重要である。
そこで本稿では,強角膜穿孔,眼球破裂の1次縫合について解説する。
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