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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻7号

2008年07月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

オルソケラトロジー治療の長期観察結果

著者: 前谷悟1 曽根隆志2

所属機関: 1八丁堀眼科医院 2広島大学大学院医歯薬総合研究科視覚病態学

ページ範囲:P.1083 - P.1086

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要約 目的:オルソケラトロジー治療を行った症例の長期経過の報告と問題点の指摘である。症例:過去43か月間の期間に近視に対してオルソケラトロジー治療を行い,600日以上の経過を観察できた25例49眼を対象とした。男性28眼,女性21眼で,年齢は8~41歳,平均19歳であった。近視は-3D未満が12眼,-6Dまでが26眼,-9Dまでが11眼であった。結果:49眼すべてで1.0以上の裸眼視力が得られた。治療開始から1年までは効果が持続するが,600日前後から低下し,レンズ交換で改善する傾向があった。結論:近視に対してオルソケラトロジー治療を開始するときには,効果が永続するものではないことをあらかじめ説明する必要がある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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