icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻7号

2008年07月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

外斜視の再発に対する追加手術の検討

著者: 藤野貴啓1 初川嘉一1 宋由伽1 石坂真美1 稲山裕美1

所属機関: 1大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター眼科

ページ範囲:P.1093 - P.1097

文献購入ページに移動
要約 目的:外斜視の術後に眼位が戻り,最終眼位を良好にする目的で行った追加手術の特徴の報告である。対象と方法:間欠性外斜視に対して,初回手術と2回目の手術として後転と短縮手術を行った16例を対象とした。年齢は初回手術時は4~11歳(平均6歳)で,再手術時は6~13歳(平均9歳)であった。再手術時の眼位は18~35プリズム(Δ)の外斜視であった。結果:1mmあたりの眼位移動量は,初回手術で平均3.2Δ,再手術で平均3.9Δであり,有意差があった。眼位の戻りは,初回手術で31.4Δ,再手術で16.9Δであり,有意差があった。結論:間欠性外斜視の再発に対する前・後転手術では,初回手術のときよりも1mmあたりの眼位移動量が大きく,術後眼位の戻りが小さくなることを考慮して手術量を決めるべきである。

参考文献

1)Scott WE, Keech R, Mash AJ:The postoperative results and stability of exodeviations. Arch Ophthalmol 99:1814-1818, 1981
2)中川 喬:外斜視術後の長期予想.あたらしい眼科 4:1481-1487,1987
3)初川嘉一:外斜視に対する後転-短縮術の短期予後と長期予後.日眼会誌 96:1466-1476,1992
4)楠部 亨・一柳知子・谷野佳子・他:外斜視手術後のもどりについて.眼臨 87:1580-1584,1993
5)中川美和子・枩田亨二・川浪佳代・他:外斜視手術の効果について―再手術の効果と術後の戻りに関する統計学的検討.眼紀 36:1303-1308,1985
6)Scott AB, Mash AJ, Jampolsky A:Quantitative guidelines for exotropia surgery. Invest Ophthalmol 14:428-436, 1975
7)上原雅美・岡見豊一・岸本伸子・他:間欠性外斜視の手術成績―術式による相違についての長期観察.眼臨 82:93-96,1988
8)Chia A, Seenyen L, Long QB:Surgical experiences with two-muscle surgery for the treatment of intermittent exotropia. J AAPOS 10:206-221, 2006
9)枩田亨二・横山 連・川浪佳代・他:外斜視手術の効果について.眼紀 35:690-696,1984
10)Richard JM, Parks MM:Intermittent exotropia. Ophthalmology 90:1172-1177, 1983
11)中川 喬・中井秀樹:間欠性外斜視の治療効果.臨眼 72:1353-1357,1978
12)初川嘉一・浜田 陽・安慶名康寿・他:水平斜視に対する定量法の検討.眼紀 32:1168-1173,1981
13)山本 節:外斜視手術の定量.眼科 23:657-664,1981
14)小田早苗・三田実千代・加地まり・他:外斜視の再手術効果の検討.眼臨 99:316-319,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?