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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻7号

2008年07月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

黄斑浮腫により発見されたバックル感染の1例

著者: 大坪哲三1 荒川明1

所属機関: 1横浜船員保険病院眼科

ページ範囲:P.1113 - P.1115

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要約 目的:黄斑浮腫により網膜剝離術後のバックル感染が発見された症例を報告する。症例:74歳の男性が4日前からの左眼痛で受診した。6年前に網膜剝離手術を受けていた。矯正視力は右0.7,左0.6であった。所見:格別の病的所見がなく,ドライアイとして点眼による治療を行った。7か月後に左眼視力が0.2に低下した。3か月後にさらに視力が低下し,蛍光眼底造影で黄斑浮腫に相当する所見が得られた。眼球の強い下転時に球結膜の充血と眼脂があり,バックルが露出していた。バックルの除去と抗菌薬点眼などで視力が0.6に改善した。眼脂からCorynebacterium属の菌が分離された。結果:愁訴が軽微であっても,バックルによる網膜剝離手術の既往があれば,感染の可能性を疑うべきである。

参考文献

1)Dev S, Mieler WF, Mittra RA et al:Acute macular edema associated with an infected scleral buckle. Arch Ophthalmol 116:1117-1119, 1998
2)大木隆太郎:強膜炎.すぐに役立つ眼科診療の知識基礎からわかるぶどう膜炎.226-229,金原出版,東京,2006
3)Helm CJ, Holland GN, Webster RG Jr:Combination intravenous ceftazidime and aminoglycosides in the treatment of pseudomonal scleritis. Ophthalmology 104:838-843, 1997
4)Smiddy WE, Miller D, Flynn HW Jr:Scleral buckle removal following retinal reattachment surgery:clinical and microbiologic aspects. Ophthalmic Surg 24:440-445, 1993
5)赤真清人:コリネバクテリウム.医科学大辞典.17巻.84-85,講談社,東京,1982
6)加茂純子・喜瀬 梢・鶴田 真・他:感受性からみた年代別の眼科領域抗菌薬選択2006.臨眼 61:331-336,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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