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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻8号

2008年08月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

微小視野計MP-1で測定した偏心固視症例における固視と視力,読書能力との関係

著者: 陳進志12 涌澤亮介1 阿部俊明1 吉田まどか1 佐藤肇1 國方彦志1 宮沢弘史1 助川真里絵1 西田幸二1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科眼科・視覚科学分野 2東北労災病院眼科

ページ範囲:P.1245 - P.1249

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要約 目的:非典型偏心固視者の遠見視力と読書能力と,固視状況との相関の報告。対象と方法:中心暗点がある17例21眼を対象とした。男性12例,女性5例で,年齢は31~92歳(平均67歳)である。9例が加齢黄斑変性であった。MN read-Jで最大読書速度,微小視野計MP-1で固視偏心度と固視安定度を測定した。遠見視力はlogMARで評価した。結果:視力は0.5~1.5(平均0.95)で,最大読書速度は毎分6.4~225字(平均93字)であった。固視偏心度は1.1~15.5°(平均6.0°),固視安定度は直径2°で11~98%(平均57.6%)であった。視力と最大読書速度は,固視偏心度と有意な相関があった。最大読書速度と4°での固視安定度には弱い相関があり,視力とは相関しなかった。結論:中心暗点がある偏心固視者の視力と読書能力は,固視安定度よりも固視偏心度が強く相関する。

参考文献

1)湯沢美都子・鈴鴨よしみ・李 才源・他:加齢黄斑変性のquality of life評価.日眼会誌 108:368-374,2004
2)沢 美喜:マイクロペリメトリー1(MP-1).眼科手術 19:341-344,2006
3)藤田京子・湯沢美都子:加齢黄斑変性瘢痕期におけるpreferred retinal locus.日眼会誌 107:602-606,2003
4)Rohrschneider K:Low vision:the morphofunctional approach. In:Midena K(ed):Perimetry and the Fundus. 215-223, SLACK, Thorofare, 2007
5)松本容子・小田浩一・湯沢美都子:両眼黄斑部に萎縮病変を有する患者の読書時に観察される固視点と網膜感度.日眼会誌 108:302-306,2004
6)Wertheim T:Über die indirekte Sehschärfe. Z Psychol 7:172-187, 1894
7)藤田京子・成瀬睦子・小田浩一・他:加齢黄斑変性滲出型瘢痕期の読書成績.日眼会誌 109:83-87,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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