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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻8号

2008年08月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

光凝固治療後の網膜裂孔患者の長期予後

著者: 門屋講司1 田中朗1 田中寧1 鈴木利根1 瀬川敦1 筑田眞1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院眼科

ページ範囲:P.1365 - P.1367

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要約 目的:網膜裂孔に対して光凝固を行った症例の長期経過の報告。症例と方法:網膜裂孔と診断され,アルゴンレーザーによる光凝固を受けた100例113眼を検索した。男性49例,女性51例で,年齢は22~79歳(平均53歳)である。5~21年(平均11年)の経過を追った。裂孔の内訳は弁状66眼,円孔51眼で,網膜裂孔すべてに光凝固を行った。結果:経過中に新規の裂孔が34例(34%)に生じ,同側14例(41%),他側15例(44%),両側5例(15%)であった。生じた時期は,光凝固後1年未満が14眼(32%),1~5年が18眼(41%),5年以上が12眼(27%)であった。網膜剝離が2眼(1.8%),網膜前膜が4眼(3.5%)に発症した。結論:光凝固で治療した網膜裂孔の長期経過は良好であったが,5年以上が経過しても裂孔が新規に生じ,網膜剝離に移行することがある。網膜裂孔が発見された症例では,長期の経過観察と新裂孔を早期に発見する努力が必要である。

参考文献

1)調枝寛治・三嶋 弘・井上暁二・他:広大眼科における予防的裂孔閉塞術の遠隔成績.臨眼 28:121-128,1974
2)田中住美:裂孔原性網膜剝離の予防的治療.日本の眼科 76:27-30,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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