文献詳細
今月の表紙
文献概要
症例は55歳,女性。2007年4月,1か月前からの右眼の飛蚊症を主訴に当科を初診した。視力は右0.9(1.0),左1.2(1.5)であり,眼圧は正常で左右差はなかった。両眼に軽度の白内障を認めたが,その他の中間透光体に異常はなかった。右眼の鼻側眼底に,周囲に褐色色素を伴う隆起性病変がみられたが,周囲の出血,血管の怒張や収束はなかった。蛍光眼底造影で隆起頂点に無血管領域を認め,軽度な造影剤の漏出を認めた。その後1か月の経過では変化はなかったが,3か月後の定期検査時に隆起性病変の増大,周囲の褐色色素範囲の拡大と散布を認めたため,MRIを試行したところT1強調像で低信号,T2強調像でも低信号を示す5mm程度の腫瘤を同部位に認めた。腫瘤は造影剤投与後,増強効果が認められた。RI検査でも同部位に集積を認め,悪性黒色腫と診断された。現在,重粒子線治療を施行中である。
この写真はKOWA社製の眼底カメラVX-10 iを用い,造影初期より画角50°で鼻側の隆起性病変を撮影した。隆起が大きいため,フォーカスとカメラ内蔵の補正レンズをすべて+寄りにし,腫瘍境界の血管にピントを合わせ,立体感を得ることができた。
この写真はKOWA社製の眼底カメラVX-10 iを用い,造影初期より画角50°で鼻側の隆起性病変を撮影した。隆起が大きいため,フォーカスとカメラ内蔵の補正レンズをすべて+寄りにし,腫瘍境界の血管にピントを合わせ,立体感を得ることができた。
掲載誌情報