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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻9号

2008年09月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

眼内内視鏡による毛様体扁平部囊胞と関連因子

著者: 須田考一1 友安幸子1 山本真由1 小池昇1 高橋春男1

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院眼科

ページ範囲:P.1477 - P.1479

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要約 目的:眼内内視鏡で観察した毛様体扁平部囊胞に関する知見の報告。対象と方法:過去3年間に白内障手術を行った883眼を対象とした。男性377眼,女性506眼で,水晶体核を除去した後,上方の強角膜創から内視鏡を挿入し,水晶体囊越しに毛様体扁平部を観察した。結果:囊胞は66眼(7.5%)にあり,うち8眼(12.1%)では両眼性であった。囊胞の存在率は男性10.9%,女性4.9%であり,有意差があった(p<0.05)。平均年齢は囊胞群74.2歳,無囊胞群73.3歳で有意差はなかった。高血圧は囊胞群の53%,無囊胞群の27.5%にあり,有意差があった(p<0.05)。両眼に囊胞がある8眼中7眼(87.5%)に高血圧があった。結論:白内障患者での毛様体囊胞は男性に多く,高血圧者に多い。

参考文献

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11)結城 尚・木村保孝・南部真一・他:超音波生体顕微鏡で検出された虹彩毛様体囊腫.臨眼 50:919-922,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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