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連載 日常みる角膜疾患・79
角膜真菌症の検査法
著者: 守田裕希子1 近間泰一郎1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科眼科学
ページ範囲:P.1578 - P.1581
文献購入ページに移動患者:13歳,男性
主訴:右眼痛,両眼そう痒感
既往歴:アトピー性皮膚炎
家族歴:特記事項はない。
現病歴:幼少時からアトピー性皮膚炎と診断されていた。2005年6月,右眼視力障害と両眼そう痒感のため近医を受診し,両眼とも春季カタルの治療を受けていたが,そう痒感の増悪と右眼の角膜上皮欠損拡大を認めたため,精査・加療目的で2006年3月30日に当院を紹介され受診した。抗アレルギー薬,ステロイドで加療を行い,上皮欠損は徐々に縮小していた。9月10日頃から右眼の眼痛が出現し,9月18日から眼脂が出現してきたため,9月21日に再受診した。
再診時所見:視力は右0.08(矯正不能),左0.7(1.0),眼圧は右10mmHg,左14mmHgであった。右眼は辺縁不整の上皮欠損があり,融解傾向を認めた(図1)。中等度の毛様充血がみられたが,前房内炎症はなかった。角膜上皮擦過物の検鏡ではフェイバーG®染色(グラム染色)でグラム陽性球菌と酵母を含む菌体が確認され(図2),細菌培養検査からは
治療経過:検鏡所見からMSSAと酵母菌の混合感染の症例と考え,抗真菌薬と抗菌薬の全身および局所投与を行い,加療を開始した。治療開始から4週間後に感染は鎮静化した。
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