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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻10号

2009年10月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

感受性からみた年代別の眼科領域抗菌薬選択2008

著者: 加茂純子1 村松志保2 赤澤博美2 山本ひろ子2

所属機関: 1甲府共立病院眼科 2甲府共立病院細菌検査室

ページ範囲:P.1635 - P.1640

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要約 目的:眼科領域での細菌の抗菌薬に対する感受性の報告と,年齢層別の適応。対象と方法:2008年4月までの1年間に198人の結膜炎患者から得られた眼脂を培養同定した。患者の年齢を1歳未満,1~15歳,16~64歳,65歳以上の4群に分けて評価した。結果:総計417株が分離された。コアグラーゼ非産生性ブドウ球菌が30%を占め,バンコマイシン(VCM),セフメノキシム(CMX),モキシフロキサシン(MFLX)に感受性があった。コリネバクテリウムは23%でVCM,CMX,テトラサイクリン(TC)に感受性があった。インフルエンザ菌は7%でエリスロマイシン(EM)とVCM以外のすべての抗生物質に感受性があり,α溶血性連鎖球菌は6%でジベカシン,EM,TC以外のすべてに感受性があった。黄色ブドウ球菌は6%でEM以外のすべてに感受性があった。MRSAは4%を占め,VCM,TC,クロラムフェニコール(CP)のみに感受性があった。結論:TCの眼軟膏が耐性菌の多い高齢者では最も効果があった。VCMとオフロキサシンへの感受性は相互補完的である。点眼の第一選択はCMX,ガチフロキサシン,MFLXである。MRSAにはVCMとCPが有効である。

参考文献

1)加茂純子・山本ひろ子・村松志保・他:病棟・外来の眼科領域細菌と感受性の動向2001~2005年.あたらしい眼科 23:219-224,2006
2)加茂純子・喜瀬 梢・鶴田 真・他:感受性からみた年代別の眼科領域抗菌剤選択2006.臨眼 61:331-336,2007
3)Callegan MC, Ramirez R, Kane ST et al:Antibacterial activity of fourth-generation fluoroquinolones gatifloxacin and moxifloxacin against ocular pathogens. Advance in Therapy 20:246-252, 2003
4)福田正道・佐々木洋・大橋裕一:モキシフロキサシン点眼薬の家兎眼内移行動態―房水内最高濃度値(AQCmax)の測定.あたらしい眼科 23:1353-1357,2006
0.3%点眼液」の臨床薬理.化学療法の領域 20:1369-1378,2004
6)Olson RJ:Encountering resistance in the battle against bacteria. Review of Ophthalmology 11:76-78, 2007
7)Deramo VA, Lai JC, Fastening DM et al:Acute endophthalmitis in eyes treated prophylactically with gatifloxacin and moxifloxacin. Am J Ophthalmol 142:721-725, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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