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コラム
脳脊髄液圧の影響
著者: 中村誠1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学
ページ範囲:P.32 - P.33
文献購入ページに移動Mayo ClinicのBerdahlら2)は,なんらかの頭蓋内疾患などにより,腰椎穿刺を受けた31,786人中,原発開放隅角緑内障を有する28人と有さない49人の脳脊髄液圧を比較し,驚くべき結果を見出した。前者の平均脳脊髄液圧は12.4±3.9cmH2Oないし9.2±2.9mmHgなのに対し,後者で17.7±5.7cmH2Oないし13.0±4.2mmHgと,原発開放隅角緑内障を有する群で33%低かったのである。また回帰分析や多変量解析を行うと,C/D比(cup/disc ratio)は低い脳脊髄液圧と有意な相関があった(図2)。眼圧が低いにもかかわらず進行する正常眼圧緑内障患者は,脳脊髄液圧がきわめて低いのだろうか。
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