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特集 緑内障診療―グレーゾーンを越えて Ⅰ.診断編 2.隅 角
発達緑内障の隅角所見
著者: 久保田敏昭1 田原昭彦2
所属機関: 1大分大学医学部眼科学教室 2産業医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.48 - P.51
文献購入ページに移動発達緑内障は前房隅角の形成不全によって発症するもので,3~4歳以前に発症して角膜径の拡大を伴う早発型(牛眼)と,それ以後に緑内障が発症する遅発型に区別する。隅角鏡検査では隅角底の形成が不良で,毛様体帯が透見できない,あるいは非常に狭い所見がみられ,この隅角鏡所見は隅角の形成が不良(隅角形成不全)であることを示す1,2)(図1)。組織学的には,線維柱帯に,傍Schlemm管結合組織様の構造を示すコンパクトな組織がSchlemm管下に厚く存在している。コンパクトな組織は細胞突起の短い線維柱帯細胞,コラーゲンとエラスチン線維とからなる線維成分,および基底板様の形態を示す大量の無定形物質で構成されていて,層板状の構造はみられない。この組織が厚く存在していて,線維柱帯の細胞間隙を占めていることが,発達緑内障の眼圧上昇と関係していると考えられる3~6)(図2)。
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