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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 緑内障診療―グレーゾーンを越えて Ⅰ.診断編 3.視神経乳頭

紛らわしい視神経(乳頭)形成異常

著者: 藤本尚也1 横山暁子1

所属機関: 1井上記念病院眼科

ページ範囲:P.86 - P.90

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はじめに

 先天的に視神経乳頭の形成異常を伴う場合に,視神経乳頭陥凹の拡大,視力正常で視野異常を伴うことから,緑内障と鑑別することが重要である。視神経(乳頭)低形成には,乳頭全体の低形成である小乳頭,部分的な部分低形成が知られている。また部分低形成は上方,鼻側,下方が知られ,これらが合併することがある。

 視神経乳頭低形成と緑内障を鑑別することは,不必要な緑内障治療を防ぐという意味があるが,実際の臨床の場では鑑別できないこともある。3次元画像解析装置である光干渉断層計(OCT)は,網膜神経線維層を定量的に測定することができるので,診断,鑑別への寄与が期待できる。

参考文献

1)Peterson RA, Watson DS:Optic nerve hypoplasia with good visual acuity and visual field defects. A sign of children of diabetic mothers. Arch Ophthalmol 95:254-258, 1977
2)Kim RY, Hoyt WF, Lessell S et al:Superior segmental optic hypoplasia. A sign of material diabetes. Arch Ophthalmol 107:1312-1315, 1989
3)Unoki K, Ohba N, Hoyt WF:Optical coherence tomography of superior segmental optic hypoplasia. Br J Ophthalmol 86:910-914, 2002
4)藤本尚也:視神経低形成と緑内障との鑑別と合併.神眼 24:426-432,2007
5)Buchanan TAS, Hoyt WF:Temporal visual field defects associated with nasal hypoplasia of the dics. Br J Ophthalmol 65:636-640, 1981
6)Brais P, Drance SM:The temporal field in chronic glaucoma. Arch Ophthalmol 88:518-522, 1972

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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