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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

コラム

乳頭形成異常と緑内障性視神経症の合併の判定と対処法

著者: 林恵子1

所属機関: 1河北総合病院眼科

ページ範囲:P.114 - P.115

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乳頭部にみられる陥凹

 乳頭形成異常は先天性・非進行性であるのに対し,緑内障は原則として進行性を有する疾患であり,これらは本質的に病態が異なる。緑内障の代表的所見である乳頭陥凹は神経線維層欠損に伴うものであり,乳頭内に陥凹を生じる。一方,コロボーマや乳頭周囲ぶどう腫などの乳頭形成異常で認められる陥凹は,眼球壁と視神経鞘接合部が外に向けて突出した乳頭周囲領域の陥凹である。しかし,軽度のコロボーマやピットなどでは陥凹が乳頭内に限局して認められるため,緑内障と間違うことがありうる。視神経コロボーマでは網膜中心動脈・静脈が観察できず,陥凹縁から血管が出現すること(陥凹の後方で血管がすでに分岐するため),先天性のピットでは陥凹内に篩状板の明確な欠損が認められ,神経線維層欠損の境界線も緑内障に比べ明瞭であることなどが参考になる(図1)。初期緑内障で認められる小さく深い陥凹を「後天性のピット」と呼ぶこともあるが,篩状板の脆弱部に一致して下方・上方に多く,乳頭出血を伴いやすいとされている1)

参考文献

1)Ugurlu S, Weitzman M, Nduaguba C et al:Acquired pit of the optic nerve:a risk factor for progression of glaucoma. Am J Ophthalmol 125:457-464, 1998
2)Honkanen RA, Jampol LM, Fingert JH et al:Familial cavitary optic disk anomalies. Clinical features of a large family with examples of progressive optic nerve head cupping. Am J Ophthalmol 143:788-794, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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