icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻11号

2009年10月発行

コラム

Goldmann視野計測は必要か

著者: 湖崎淳1

所属機関: 1湖崎眼科

ページ範囲:P.151 - P.151

文献概要

 初期の緑内障の発見や経過観察という目的ならば,静的視野計のほうに分がある。しかし,Goldmann視野計の歴史は古く,多くの疾患の特徴が研究されてきた。そのため,あらゆる網膜疾患と視神経疾患が対象となる。視神経炎,虚血性視神経症,網膜色素変性症,錐体ジストロフィ,視神経乳頭低形成などはGoldmann視野計ですぐに診断ができる。近視性網脈絡膜萎縮の範囲や進行も静的視野計では困難である。半盲,とくに緑内障との鑑別に悩む四半盲の場合はGoldmann視野計であると自信をもって診断できる。また,Goldmann視野計はパターンで障害範囲を捉えることができるため,低視力でも診断が可能となる。

 緑内障においても,高齢者の場合,静的視野計の検査速度についていけず信頼性の低い結果となることがある。白内障を合併している場合も,静的視野では緑内障の特徴を捉えられないことがある。長期経過をみている場合,途中に白内障手術が入ると,様相が大きく変化することもある。強度近視でも,静的視野計では判定不能であってもGoldmann視野計では全体像が捉えられ,近視性変化の部分と緑内障性変化の部分を分けて評価することも可能となる。また,強度近視の場合,静的視野ではMD(mean deviation)の変動幅が大きく進行の判定が難しいこともある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら