icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

コラム

コンプライアンス(アドヒアランス)の実際とその向上法

著者: 内藤知子1 吉川啓司2

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科機能制御学講座眼科学 2吉川眼科クリニック

ページ範囲:P.262 - P.263

文献購入ページに移動
コンプライアンス,アドヒアランスとは

 医療においては,コンプライアンスとは「指示されたことに従い,患者が正しく服薬すること」であり,「服薬遵守」と訳される。一方,アドヒアランスは「執着,粘着,支持」のほかに「何かに対し愛着を感じ継続する」という意味を包含しており1),医療面からは「患者が積極的に治療方針の決定に参加し,治療を実施,継続すること」と解釈される。

 近年,医療者には,患者に対して一方的に指示を出すパターナリズム的存在ではなく,情報提供と治療継続の手助けを行う存在であることが求められるようになった。そこで,いわばパートナーシップの構築が課題となり,2001年にWHO(世界保健機関)でも「コンプライアンスよりアドヒアランスの考え方を推進する」方向性が明らかにされた2)

参考文献

1)尾鷲登志美・上島国利:コンプライアンスからアドヒアランスへ.薬事 50:373-376,2008
2)Sabate E:Adherence to Long-term Therapies:Policy for Action. World Health Organization, 2001
3)Reardon G, Schwartz GF, Mozaffari E:Patient persistency with topical ocular hypotensive therapy in a managed care population. Am J Ophthalmol 137:S3-S12, 2004
4)阿部春樹:薬物療法―コンプライアンスを良くするには.あたらしい眼科 16:907-912,1999
5)吉川啓司:暗点について.東京緑内障セミナー(編):実戦緑内障.55,金原出版,1996
6)吉川啓司:NTG説明:わからせるって大変.東京緑内障セミナー(編):実戦緑内障Part Ⅱ.9-12,金原出版,1999
7)南野麻美・安田典子:緑内障1日教育入院の試み①.Frontiers in Glaucoma 4:164-167,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?