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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

コラム

姿勢変化に伴う眼圧変動を制する!?

著者: 木内貴博1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系眼科

ページ範囲:P.278 - P.279

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体位による眼圧差と緑内障の進行

 近年,実生活を考慮に入れた眼圧管理の重要性が認識されるようになり,時代はより正確な眼圧変動の実態把握を望むような趨勢にある。姿勢の影響を加味した日内変動測定もその1つであり,これは座位姿勢よりも仰臥位のときの眼圧のほうが高いという背景に基づいて,睡眠時間帯の眼圧を横たわったまま測定し再構成するというものである。その結果,夜間の眼圧はこれまでに報告されてきたものよりもかなり高値であることが明らかとなり,ついにはこのことが緑内障の進行にかかわっているのではないかと疑問視する声すら出てきた。

 そこで座位と仰臥位の眼圧差(ΔIOP)に着目して視野障害との関連性を検討してみると,ΔIOPが大きい例ほど易進行性であること(図1),同一症例でもΔIOPに左右差のある場合は,ΔIOPが大きいほうの眼の視野障害がより重篤であること(図2)などが次々と判明し1,2),体位による眼圧変動が緑内障の発症や進行に関係している可能性が示唆された。

参考文献

1)Kiuchi T, Motoyama Y, Oshika T:Relationship of progression of visual field damage to postural changes in intraocular pressure in patients with normal-tension glaucoma. Ophthalmology 113:2150-2155, 2006
2)Kiuchi T, Motoyama Y, Oshika T et al:Postural response of intraocular pressure and visual field damage in patients with untreated normal-tension glaucoma. J Glaucoma(in press)
3)Kiuchi T, Motoyama Y, Oshika T:Influence of ocular hypotensive eyedrops on intraocular pressure fluctuation with postural change in eyes with normal-tension glaucoma. Am J Ophthalmol 143:693-695, 2007
4)Kawana K, Kiuchi T, Yasuno Y et al:Evaluation of trabeculectomy blebs using 3-dimensional cornea and anterior segment optical coherence tomography. Ophthalmology 116:848-855, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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