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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

コラム

線維柱帯切除術にはマイトマイシンCがつきものか

著者: 安藤彰1

所属機関: 1関西医科大学付属滝井病院眼科

ページ範囲:P.287 - P.287

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 緑内障に対する眼圧下降治療としてはまず点眼薬が第一選択といえる。現在では眼圧下降点眼薬の種類が増え,早期から良好な眼圧コントロール可能な症例が増えてきた。しかしながら進行した緑内障ではやはり手術,それも線維柱帯切除術に頼らざるをえない症例も少なくない。

 線維柱帯切除術の起源をたどればSugar1)やCairns2)が行った手技であり,線維柱帯を切除して開口したSchlemm管から房水を流出させるという流出路再建をねらったものであった。その後,強膜創の閉鎖が不完全で結膜下へ房水が流出して結膜下に房水をたたえる,いわゆる濾過胞(filtering bleb)がみられる症例で眼圧下降が得られていることが注目され,意図的に濾過胞を作製して眼圧下降を期待した線維柱帯切除術へと工夫されていった。

参考文献

1)Sugar HS:Experimental trabeculectomy in glaucoma. Am J Ophthalmol 51:623-627, 1961
2)Cairns JE:Trabeculectomy. Preliminary report of a new method. Am J Ophthalmol 66:673-679, 1968
3)Heuer DK, Parrish RK 2nd, Gressel MG et al:5-fluorouracil and glaucoma filtering surgery. Ⅱ. A pilot study. Ophthalmology 91:384-394, 1984
4)Chen CW:Enhanced intraocular pressure controlling effectiveness of trabeculectomy by local application of mitomycin-C. Trans Asia-Pac Acad Ophthalmol 9:172-177, 1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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