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コラム
全層角膜移植後の線維柱帯切除術攻略法
著者: 今井浩二郎1 森和彦1
所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学
ページ範囲:P.315 - P.315
文献購入ページに移動はじめに
全層角膜移植後には拒絶反応や感染症に加えて,続発緑内障にも注意を払う必要がある。全層角膜移植術後の眼圧上昇の原因には,術後早期における既存緑内障の悪化,前房出血,炎症,残留粘弾性物質,瞳孔ブロック,悪性緑内障など,後期における炎症の遷延,周辺虹彩前癒着,ステロイド緑内障,悪性緑内障などが考えられる。通常,点眼や内服での加療を行うが,コントロール不能の場合には観血的治療を考慮することになる。開放隅角でありステロイド緑内障の関与が疑われる場合には線維柱帯切開術が第一選択となるが,水疱性角膜症や角膜感染症に対する全層角膜移植後のように高度の眼内炎症から周辺虹彩前癒着を形成して続発閉塞隅角緑内障をきたした場合には線維柱帯切除術(図1)の適応となる。
全層角膜移植後には拒絶反応や感染症に加えて,続発緑内障にも注意を払う必要がある。全層角膜移植術後の眼圧上昇の原因には,術後早期における既存緑内障の悪化,前房出血,炎症,残留粘弾性物質,瞳孔ブロック,悪性緑内障など,後期における炎症の遷延,周辺虹彩前癒着,ステロイド緑内障,悪性緑内障などが考えられる。通常,点眼や内服での加療を行うが,コントロール不能の場合には観血的治療を考慮することになる。開放隅角でありステロイド緑内障の関与が疑われる場合には線維柱帯切開術が第一選択となるが,水疱性角膜症や角膜感染症に対する全層角膜移植後のように高度の眼内炎症から周辺虹彩前癒着を形成して続発閉塞隅角緑内障をきたした場合には線維柱帯切除術(図1)の適応となる。
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