icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻11号

2009年10月発行

コラム

慢性原発閉塞隅角緑内障に隅角癒着解離術は必須か

著者: 谷原秀信1

所属機関: 1熊本大学大学院医学薬学研究部視機能病態学

ページ範囲:P.341 - P.341

文献概要

結論から述べると

 原発閉塞隅角緑内障(および原発閉塞隅角症)に対して,隅角癒着解離術は有効な眼圧下降手術である。歴史的には,隅角癒着解離術については,80年代半ばに発表されたCampbellらや永田らの論文によってその有効性が確認されており,疑問の余地は少ない。現時点において議論の対象となるのは,原発閉塞隅角緑内障(および原発閉塞隅角症)に本術式は「必須か」どうかである。

 結論から述べると,原発閉塞隅角緑内障に対して隅角癒着解離術は有効な選択肢ではあるが,必須ではない。現在,熊本大学眼科において,(瞳孔ブロック解消後)原発閉塞隅角緑内障の手術成績について,倫理委員会の承認を経て,(隅角癒着解離術を併用しない)水晶体摘出術とマイトマイシンC(MMC)併用線維柱帯切除術のプロスペクティブな比較試験を進行中である。現時点ではまだ観察途中ではあるが,どちらの選択肢においても,(若干の成功確率の相違はあるが)眼圧コントロールを得ることは可能である(未発表データ)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら