文献詳細
連載 眼科図譜・353
両眼性の脈絡膜新生血管を伴うVogt-小柳-原田病の1例
著者: 伊勢重之12 丸子一朗1 神田尚孝2 飯田知弘1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部眼科学講座 2寿泉堂綜合病院眼科
ページ範囲:P.1738 - P.1741
文献概要
Vogt-小柳-原田病(Vogt-Koyanagi-Harada disease:以下,VKH)はメラノサイトに対する自己免疫性疾患であり,急性期の眼底後極部を中心とした滲出性網膜剝離を特徴とする。日本人を含むモンゴロイドに多いが,これはメラノサイトやVKHと相関性の高い遺伝子型を持つ比率がアジア人に多いことが原因と考えられている。これまでに,脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:以下,CNV)が生じたVKHの症例がいくつか報告されているが1,2),日本人の症例における報告は少ない3,4)。今回,筆者らはVKHに両眼性の大きなCNVを伴った症例を経験したので報告する。
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