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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻12号

2009年11月発行

文献概要

臨床報告

難治性の上眼瞼睫毛乱生症に対する埋没U字縫合法

著者: 小出美穂子1 星野彰宏2 田邊吉彦2

所属機関: 1小出内科眼科医院 2社会保険中京病院眼科

ページ範囲:P.1791 - P.1795

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要約 背景:上眼瞼の睫毛乱生に対し,Hotz原法にU字縫合を加えた方法が筆者らにより考案されている。目的:難治性の上眼瞼睫毛乱生に対し,眼瞼縁外反を同時に得るために考案した埋没U字縫合法の報告。対象と方法:Hotz原法では完治しにくく,眼瞼縁の外反が望ましいと判断された13例17眼を対象とした。年齢は15~84歳(平均51歳)であり,7眼にmarginal entropionがあった。7-0ナイロン糸で埋没縫合をした。術後6か月~3年間の経過を観察した。結果:全例で機能的ならびに整容的な改善が得られ,眼瞼縁外反も持続した。1例で縫合糸が3か月後に露出し,抜糸をしたが以後18か月間の経過は順調である。結論:難治性上眼瞼睫毛乱生に対する埋没U字縫合法で,機能的ならびに整容的な改善と持続的な眼瞼外反効果が得られた。

参考文献

1)Jeffrey AN:Oculoplastic Surgery. The Requisites in Ophthalmology. 104-119, Mosby, St Louis, 2001
2)Wojno TH:Lid splitting with lash resection for cicatricial entropion and trichiasis. Ophthal Plast Reconstr Surg 8:287-289, 1992
3)Hotz FC:A new operation for entropion and trichiasis. Arch Ophthalmol 8:249-263, 1879
4)小出美穂子・星野彰宏・田邊吉彦:上眼瞼の睫毛乱生症に対するU字縫合法の経験.眼臨紀 1:209-213,2008
5)柿崎裕彦:睫毛乱生(trichiasis, distichiasis).稲富 誠・田邊吉彦(編):外眼部外来手術マニュアル.49-55,南江堂,東京,2005
6)田邊吉彦:睫毛乱生.千原悦夫・河野眞一郎(編):ハンズオン前眼部・外眼部診療.93-96,南江堂,東京,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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