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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻13号

2009年12月発行

文献概要

やさしい目で きびしい目で・120

私の性格―乱視編

著者: 有田玲子1

所属機関: 1伊藤医院

ページ範囲:P.1877 - P.1877

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 私は両眼,4.5ジオプトリー程度(!)の直乱視です。実はこれでも裸眼視力で0.7はあります。午前中や,体調のいいときは1.0ぐらい見えることもあります。ですので,学校の視力検査に引っかかることもなく,眼科にも行ったことがなかったので,眼科に入局するまで自分が乱視だとは知りませんでした。入局後,オーベンのK先生にオートレフの測定の仕方を教わったとき,試しに私の眼のデータをとり,K先生が測り間違いではないかとびっくりされているのが意外でした。その後,矯正してみて「世の中,こんなにクリアーにモノが見えるんだ!」いままでの自分の見え方の概念が根底から覆されるほどのショックでした。

 そういえば幼稚園の頃,塗り絵がとても苦手でした。線の内側にうまく塗ることができず,いつもはみだして塗ってしまうのです。折り紙も苦手でした。紙の端と端を合わせられないのです。それから部屋の掃除が苦手でした。自分ではきれいに掃除したつもりなのに,いつもやり直しをさせられました。親には見えているホコリが私には見えませんでした。小学校高学年になるとノートの横線が細くなります。その横線上に合わせて字を書けませんでした。そこで私は「大雑把で不器用」というレッテルを貼られ,ずっとそれが自分のコンプレックスでした。あとで検査したところ,母と弟は完全な正視で父と私が強度の乱視でした。母に私の見え方がまったく理解できなかったのもうなずけます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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