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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻13号

2009年12月発行

文献概要

連載 もっと医療コミュニケーション・24

患者が本当に言いたいことは何でしょう?―主訴の整理をしてあげましょう

著者: 佐藤綾子12 綾木雅彦3

所属機関: 1日本大学藝術学部 2国際パフォーマンス研究所 3昭和大学藤が丘リハビリテーション病院眼科

ページ範囲:P.1878 - P.1880

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 「目の中にクラクラと雲の形のようなものが見えて,それは朝から晩まで見えているというよりは,昼間外に出たときとか,室内であっても比較的明るい部屋のほうが多くて,空に浮かんでいる雲の形でいえば,こんなような形なのですが,そのとき頭も痛くなるのです。いったいどうなっているんでしょうか?」と,こんな調子でなんだかとても説明が長々しくなってしまい,何を一番言いたいのかがよく伝わらない患者がいます。聞いている医師も,時間の関係もあって焦りのような気持ちをもち,内心「困ったなあ」と思い始めます。

 こんな話を親しい友人のK先生に聞いて,私がふと思い出したのは,元夫だった心臓外科医Sの話です。彼は,患者の話がとぐろを巻いたように長くて,痛いのか痛くないのかさっぱりわからず,手術をしたいのかしたくないのかもよくわからないので,つい「そんなとぐろを巻いたような話し方は,ほとんど不定愁訴だね」と言ってしまったのでした。

参考文献

1)Reischauer EO:The Japanese. Harvard University Press, Cambridge, 1977
2)佐藤綾子:自分をどう表現するか.パフォーマンス学入門.講談社,東京,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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