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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻13号

2009年12月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

炭酸ガス(CO2)レーザーを使用した眼窩脂肪ヘルニア手術

著者: 宮田信之1 金原久治1 岡田栄一1 水木信久2

所属機関: 1岡田眼科 2横浜市立大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.1885 - P.1888

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要約 目的:炭酸ガスレーザーを用いて球結膜下への眼窩脂肪ヘルニアに行った手術の報告。対象と方法:炭酸ガスレーザーで手術をした眼窩脂肪ヘルニア16例20眼を対象とした。男性17眼,女性3眼で,年齢は38~87歳(平均67歳)である。球結膜とテノン囊をレーザーで切開して露出した脂肪組織を切除し,断端を再びレーザーで止血した。ヘルニア門を閉鎖し,再脱出を防止するため,テノン囊を強膜に縫着した。結果:炭酸ガスレーザーを使用することで切開と止血が同時にでき,手術時間は10~15分であった。全例で良好な結果が得られ,術後経過も良好であった。主訴と整容的な改善について高い満足度が得られた。結論:炭酸ガスレーザーを用いる眼窩脂肪ヘルニア手術は,出血が少なく短時間で行うことができ,良好な結果が得られた。

参考文献

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11)McNab AA:Subconjunctival fat prolapse. Aust NZ J Ophthalmol 27:33-36, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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