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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻13号

2009年12月発行

文献概要

臨床報告

新診断基準を用いた眼病変からのサルコイドーシスの診断

著者: 澁谷悦子1 石原麻美1 中村聡1 林清文1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1917 - P.1922

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要約 目的:新診断基準による眼病変からのサルコイドーシスの診断と評価。対象と方法:過去8年間に当科ぶどう膜炎外来でサルコイドーシスが疑われた197例を新診断基準で検討した。結果:サルコイドーシスと確定診断された97例のうちの臨床診断群52例と,確定診断ができなかった疑い群100例の比較では,眼病変に相違はなかったが,全身検査での陽性率に差があった。新基準で新たに「疑い群」から「臨床診断群」になった26例では,全例に両側肺門リンパ節腫脹(BHL)があった。一方,旧基準で「臨床診断群」であった症例中9例が,BHL陰性のため「疑い群」になった。結論:新診断基準ではBHL陽性による診断がつけやすくなったため,診断率が向上した。BHL陰性例の診断は今後の問題である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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