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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻3号

2009年03月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

ヒーロンV®の角膜内皮細胞保護作用―術後1年の観察

著者: 橋本尚子1 原岳1 原孜1 原玲子1 原たか子1 成田正弥1 峯則子1

所属機関: 1原眼科病院

ページ範囲:P.285 - P.288

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要約 目的:白内障手術で使用するビスコート®とヒーロンV®が角膜内皮に及ぼす影響の報告。対象と方法:白内障手術を行った67眼を対象とした。無作為に選んだ33眼にはビスコート®,34眼にはヒーロンV®を用いた。術前と術後1,3,12か月に角膜内皮細胞の密度を測定した。結果:術前と術後12か月の角膜内皮細胞密度は,ビスコート®群ではそれぞれ2,268±369と2,170±417であり,ヒーロンV®群では2,333±196と2,234±302であった。角膜内皮細胞の減少率は,前者で3.8%,後者で4.2%であり,両群間に有意差はなかった。結論:ヒーロンV®にはビスコート®と同様な角膜内皮細胞の保護効果がある。

参考文献

1)Holzer MP, Tetz MR, Auffarth GU et al:Effect of Healon V and 4 other viscoelastic substances on intraocular pressure and endothelium after cataract surgery. J Cataract Refract Surg 27:213-218, 2001
2)Schwenn O, Dick HB, Krummenauer F et al:Healon V versus Viscoat during cataract surgery:intraocular pressure, laser flare and corneal changes. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 238:861-867, 2000
3)樋口正樹・西村知久・古賀隆史・他:超音波白内障手術においてviscoadaptive粘弾性物質およびソフトシェル法が角膜内皮細胞と眼圧に及ぼす影響の比較.眼紀 57:14-17,2006
の角膜内皮保護効果の比較.臨眼 59:625-628,2005
5)西尾政哉・田中千代美・筑田 眞:超音波乳化吸引術における分散型およびviscoadaptive型粘弾性物質の角膜内皮細胞保護効果の比較.眼科手術 17:605-608,2004
6)枝美奈子・松島博之・寺内 渉・他:各種粘弾性物質の前房内滞留性と角膜内皮保護効果.日眼会誌 110:31-36,2006
7)枝美奈子・松島博之・小原喜隆:異なる超音波設定による粘弾性物質の前房内動態.あたらしい眼科 22:1567-1571,2005
8)Arshinoff SA, Wong E:Understanding, retaining and removing dispersive and pseudodispersive ophthalmic devices. J Cataract Refract Surg 29:2318-2323, 2003
9)井口俊太郎・谷口重雄・西村栄一・他:ビスコアダプティブ粘弾性物質の前房内動態に関する実験的検討.IOL & RS 18:294-298,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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