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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻4号

2009年04月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

網膜色素変性症の告知について考える

著者: 佐渡一成1 石井雅子23 小野峰子4

所属機関: 1さど眼科 2新潟医療技術専門学校 3新潟大学大学院医歯学総合研究科 4東北文化学園専門学校

ページ範囲:P.449 - P.453

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要約 背景:網膜色素変性症であることの適切な告知の方法はない。安易な告知が行われたために,長期間にわたる精神的な苦痛を強いられている患者が跡を絶たない。目的:網膜色素変性症の告知のあり方の報告。対象と方法:視能訓練士13名と視能訓練士を目指している学生78名を対象として,「自覚症状がない20歳代女性に網膜色素変性症が見つかった場合に,これを眼科医はどう伝えるべきか」という設問をした。結果:「発見したときに告知する」「告知は明確に行う」「家族が同席して伝える」などの回答が得られ,「告知は患者の気持ちに十分配慮して行うべきである」という意見が多かった。結論:網膜色素変性症の患者への告知については,がん緩和ケアガイドブックを参考に,さらに検討する必要がある。

参考文献

1)安達恵美子:網膜色素変性症,その告知に対する現状の課題―プライマリー・ロービジョンケアや行政,医療機関の果たす役割.日眼会誌 112:158-159,2008
2)高林雅子・岩田文乃・村上 晶:網膜色素変性症患者の心理的援助の課題―順天堂大学眼科学教室同窓会アンケート調査と患者の声から.臨眼 61:1233-1236,2007
3)岩田文乃:網膜色素変性症の長期予後―情報提供のあり方を考える.眼臨紀 1:1108,2008
4)日本医師会(監修):2008年版がん緩和ケアガイドブック12.青海社,東京,2008
5)内富庸介・藤森麻衣子(編):がん医療におけるコミュニケーション・スキル―悪い知らせをどう伝えるか.医学書院,東京,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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