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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻4号

2009年04月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

耳側楔状視野欠損を呈した多症例の臨床的特徴

著者: 大黒幾代1 片井麻貴1 田中祥恵1 鶴田みどり1 橋本雅人1 大黒浩1

所属機関: 1札幌医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.459 - P.463

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要約 目的:耳側楔状視野欠損を呈する症例に多い臨床的特徴の報告。対象と方法:耳側楔状視野欠損を呈する22例35眼を対象とした。男性10例18眼,女性12例17眼で,年齢は26~78歳(平均57歳)である。内訳は緑内障17眼,乳頭陥凹14眼,偽乳頭浮腫4眼であった。結果:屈折は-1D~-17D(平均-5.4D)で,29眼(83%)が-3D以上の近視であった。乳頭が小さく,鼻側境界が不整または蒼白な例が多く,鼻側の乳頭網膜神経線維層厚が30眼(86%)で広範に減少していた。先天性視神経鼻側低形成と緑内障の合併例が多かった。結論:近視眼で鼻側境界が不整な耳側に傾斜した小乳頭は,耳側楔状視野欠損に特徴的である。先天性視神経鼻側低形成は緑内障に併発することがある。

参考文献

1)Brais P, Drance SM:The temporal field in chronic simple glaucoma. Arch Ophthalmol 88:518-522, 1976
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3)Peterson RA, Walton DS:Optic nerve hypoplasia with good visual acuity and visual field defects. Arch Ophthalmol 95:254-258, 1977
4)Kim RY, Hoyt WF, Lessell S et al:Superior segmental optic hypoplasia:a sign of maternal diabetes. Arch Ophthalmol 107:1312-1315, 1989
5)Buchanan TAS, Hoyt WF:Temporal visual field defects associated with nasal hypoplasia of the optic disc. Br J Ophthalmol 65:636-640, 1981
6)松本奈緒美・橋本雅人・今野伸介・他:先天性視神経乳頭鼻側低形成の3例.あたらしい眼科 22:1009-1012,2005
7)Ohguro I, Ohguro H:A case of superior segmental optic hypoplasia accompanied by glaucomatous optic neuropathy. Clinical Ophthalmol 2:475-478, 2008
8)若倉雅登:特集検眼鏡検査法.乳頭と先天異常.眼科 27:529-537,1985
9)山崎 斉・前田利根・神前あい・他:くさび形の耳側視野欠損を呈した10例の臨床所見.日眼会誌 106:247,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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