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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻4号

2009年04月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

マイラゲル(MIRAgel®)術後障害に対し水流を用いた除去法を試みた1例

著者: 春山知子1 井上浩太1 須田考一2 小池昇1 高橋春男1

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院眼科 2今給黎総合病院眼科

ページ範囲:P.521 - P.525

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要約 目的:網膜剝離に対し,ハイドロゲルであるマイラゲル®で強膜内陥術が行われた後,水流でバックルを除去した症例の報告。症例:66歳男性の右眼に他医により網膜剝離手術が10年前に行われた。5か月前から異物感が生じ,眼球の下方偏位が強くなった。経過:右眼の上方結膜下にマイラゲル®が突出していた。結膜を切開し,バックルを鑷子で把持すると細かく砕けたので,水晶体乳化吸引術用のI/Aハンドピースで水流噴射と吸引を繰り返し,可視範囲にあるバックルを除去することができた。これによりバックルの視認性を確保でき,出血がなく,組織の損傷を回避できた。磁気共鳴画像検査(MRI)で,赤道部後方のバックルは残留していた。結論:水晶体乳化吸引術用のI/Aハンドピースによる水流と吸引を使うことで,ハイドロゲルによるバックルを除去できた。残留バックルの確認にはMRIが有用であった。

参考文献

1)樋田哲夫・忍足和浩:マイラゲルを用いた強膜バックリング術後長期の合併症について.日眼会誌 107:71-75,2004
2)吉田祐介・伴由利子・小林ルミ・他:マイラゲルを用いた網膜剝離術後に晩期合併症を呈した1例.公立南丹病院医学雑誌 9:77-81,2007
3)日鳥真興道・長嶺紀良・我謝 猛・他:マイラゲルの長期経過後の合併症.あたらしい眼科:255-257,2008
4)本多弘典・増田光司・矢田清身・他:強膜バックル素材MIRAgelの長期合併症について.眼臨 100:277-579,2006
5)Le Rouic JF, Bejjani RA, Azan F et al:Cryoextraction of episcleral MIRAgel buckle elements. A new technique to reduce fragmentation. Opthalmic Surg Lasers 33:237-239, 2002
6)田中 聡・並木美夏・林 敏信・他:マイラゲル除去中に強膜裂傷をきたした1症例.眼臨 98:1050,2004
7)野田 徹:バックル材料の選択.田野保雄(編):眼科プラクティス26.網膜剝離の診療指針.86,文光堂,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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