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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻4号

2009年04月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

特発性黄斑円孔術前後視力と光干渉断層計所見の関連性の検討

著者: 草野真央1 宮村紀毅1 前川有紀1 隈上武志1 北岡隆1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科眼科・視覚科学教室

ページ範囲:P.539 - P.543

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要約 目的:特発性黄斑円孔の術前後の視力と光干渉断層計(OCT)による関連の報告。対象と方法:硝子体手術を行った特発性黄斑円孔31眼を対象とした。男性10眼,女性21眼で,年齢は51~78歳(平均67歳)であった。発症から手術までの期間は0.1~9か月(平均2.7か月)と推定された。27眼には白内障手術を同時に行った。術後1年以上の経過を追跡した。結果:術後視力は術前視力と正の相関があった。術後視力は,術後のOCTによる視神経細胞の内外節間境界線の形状と正の相関があり,円孔径と負の相関があった。結論:特発性黄斑円孔では術前の視力が良好で,円孔が小さく,術後のOCTによる内外節間の境界線が明瞭な症例では,術後視力が良好である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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