icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻5号

2009年05月発行

文献概要

臨床報告

原発開放隅角緑内障および高眼圧症患者を対象としたラタノプロスト・チモロール配合剤(KP2035)の第Ⅲ相二重盲検比較試験

著者: 北澤克明1 KP2035共同試験グループ

所属機関: 1赤坂北澤眼科

ページ範囲:P.807 - P.815

文献購入ページに移動
要約 目的:0.005%ラタノプロストと0.5%チモロール配合剤(KP2035)の有効性と安全性の評価と0.005%ラタノプロスト単剤との比較。対象と方法:原発開放隅角緑内障195例と高眼圧94例の計289例を対象とした。Run-in期間としてラタノプロストを4週間点眼した後,KP2035群とラタノプロスト単独群とに無作為に割り付け,1日1回の点眼を8週間行った。Run-in期間終了後の眼圧をベースラインとした。結果:点眼を8週間行った後の眼圧変動は,KP2035群では2.59±2.40mmHg,ラタノプロスト単独群では1.61±2.19mmHgで,両群間に有意差があった(p<0.001)。KP2035群ではラタノプロスト群よりも眼刺激の発現が多かったが軽度であった。その他の眼局所の有害事象の頻度と程度は両群間でほぼ同程度であった。心・血管系と呼吸器系に有害事象は発生せず,眼科的所見を含め安全性で特に問題になる所見はなかった。結論:開放隅角緑内障と高眼圧症に対し,KP2035はラタノプロストよりも大きな眼圧下降効果を示し,認容性が高いと評価される。

参考文献

1)高松倫也・木内良明・三嶋 弘:PhXA41の房水動態に及ぼす影響.新薬と臨牀 45:76-82,1996
2)三嶋 弘・増田寛次郎・新家 眞・他:原発開放隅角緑内障および高眼圧症を対象とするPhXA41点眼液の臨床第Ⅲ相試験―0.5%マレイン酸チモロールとの多施設二重盲検試験.眼臨 90:607-615,1996
3)北澤克明・ラタノプロスト共同試験グループ:ラタノプロスト点眼液156週間長期投与による有効性および安全性に関する多施設共同オープン試験.臨眼 60:2047-2054,2006
4)Miichi H, Nagataki S:Effects of pilocarpine, salbutamol, and timolol on aqueous humor formation in cynomolgus monkeys. Invest Ophthalmol Vis Sci 24:1269-1275, 1983
5)Patel SC, Spaeth GL:Compliance in patients prescribed eyedrops for glaucoma. Ophthalmic Surg 26:233-236, 1995
6)Robin AL, Covert D:Does adjunctive glaucoma therapy affect adherence to the initial primary therapy? Ophthalmology 112:863-868, 2005
7)髙橋雅子・中島正之・東 郁郎:緑内障の知識に関するアンケート調査.眼紀 49:457-460,1998
8)Nino J, Tahvanainen K, Uusitalo H et al:Cardiovascular effects of ophthalmic 0.5% timolol aqueous solution and 0.1% timolol hydrogel. Clin Physiol Funct Imaging 22:271-278, 2002
TG). Curr Eye Res 30:319-328, 2005
10)Higginbotham EJ, Feldman R, Stiles M et al:Latanoprost and timolol combination therapy vs monotherapy:one-year randomized trial. Arch Ophthalmol 120:915-922, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?