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特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著
多目的用剤の変更が有効であったコンタクトレンズ眼障害の3例
著者: 小林茂樹1 小林守治1
所属機関: 1小林眼科医院
ページ範囲:P.927 - P.931
文献購入ページに移動要約 背景:多目的用剤は,ソフトコンタクトレンズ(SCL)の消毒,洗浄,すすぎ,保存に使われるが,これによる眼障害が増加している。その成分や成分バランス,不適切な使用などが原因として推定されている。目的:多目的用剤によると推定されるSCL眼障害が,別の多目的用剤に変更することで改善した3症例の報告。症例:いずれも20歳代のSCL装用者で,充血または乾燥感を訴えた。いずれも多目的用剤を使用していた。経過:それまでの多目的用剤をエピカ®コールドに変更した。充血または乾燥感は,全例で3または4日後に消失した。結論:エピカ®コールドには天然系成分を含み,細胞毒性を抑制し,眼を潤す効果があるために奏効したと推定される。
参考文献
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