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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻6号

2009年06月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

白内障手術と同時に行った翼状片手術の術後成績

著者: 竹下哲二1 吉岡久史1

所属機関: 1上天草総合病院眼科

ページ範囲:P.933 - P.936

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要約 目的:白内障と翼状片の同時手術の結果の報告と評価。対象と方法:過去51か月間に白内障と翼状片の同時手術を行い,4か月以上の経過を追えた154眼を対象とした。男性53眼,女性101眼で,年齢は平均76歳であった。翼状片には単純切除または結膜弁移植を行った。翼状片単独手術として結膜弁移植を行った87眼を対照とした。結果:翼状片の再発は同時手術眼では8.0%,対照群では10.0%にあり,有意差がなかった。角膜乱視が術前に倒乱視のときには術後の屈折が目標よりも近視化し,直乱視のときには目標と一致した。術前に倒乱視があると術後の乱視に有意差がなく,直乱視があると角膜乱視が軽減した。結論:翼状片の再発率は,白内障との同時手術群と単独手術とで有意差がなかった。翼状片が大きく,直乱視があると同時手術で角膜乱視が減少した。

参考文献

1)竹下哲二・吉岡久史・有村和枝:天草上島地域における白内障手術患者の翼状片.臨眼 62:307-310,2008
2)山岸哲哉・奥村直毅・橋田正継・他:翼状片・白内障同時手術における術後成績.眼臨 100:549,2006
3)佐々木一之・小野雅司・青木功喜・他:生活環境の異なる三地域に在住する住民を対象とした白内障の疫学調査.第1報.有所見率,病型を中心として.日眼会誌 99:204-211,1995
4)安藤祐子・新妻卓也・内海 通・他:千葉県外房地域と神奈川県川崎市における翼状片の比較.眼紀 47:577-581,1996
5)城間弘喜・比嘉明子・石川修作・他:沖縄県久米島町における翼状片の有病率.久米島スタディ(会議録).日眼会誌 203:242,2007
6)柿沼有里・小幡博人・加藤正夫・他:翼状片の術式別手術成績の比較.臨眼 58:719-722,2004
7)折原雄一・山口達夫:翼状片・白内障同時手術における結膜有茎弁移植術.あたらしい眼科 20:1421-1424,2003
8)佐々木香る・武藤興紀・米村奈美・他:マイトマイシンCおよび結膜弁移植を行わない翼状片手術の再発率.臨眼 59:857-861,2005
9)Nomura H, Iwano M, Ando F et al:Relationship between astigmatism and aging in middle-aged and elderly Japanese. Jpn J Ophthalmol 49:127-133, 2005
10)近江源次郎・大路正人・切通 彰・他:翼状片による角膜形状の変化.臨眼 42:875-878,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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