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連載 網膜硝子体手術手技・31
裂孔原性網膜剝離(6)―巨大裂孔網膜剝離の硝子体手術
著者: 岩田英嗣1 浅見哲1 寺崎浩子1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座眼科学
ページ範囲:P.1060 - P.1065
文献購入ページに移動巨大裂孔は,円周方向に90°以上の広がりを示す裂孔のことをいう。巨大裂孔による網膜剝離は裂孔縁の挙上,剝離網膜の翻転を伴っていることが多く,網膜剝離手術の中でも治療困難な疾患の1つであった。これまで,巨大裂孔網膜剝離の治療のために対面通糸法1),網膜鋲2)などさまざまな工夫がなされてきた。
1987年にChang3)により報告された液体パーフルオロカーボン(perfluorocarbon liquid:PFCL)の使用により,仰臥位における術中の網膜の復位が得られるようになったため,手術手技が画期的に進歩し,手術成績は向上した。しかしながら,すべての症例が硝子体手術の適応になるわけではなく,裂孔の大きさ,剝離の範囲,網膜の翻転の有無,増殖硝子体網膜症の有無,水晶体の状態,年齢などを十分に考慮し,術式を選択する必要がある。
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