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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻7号

2009年07月発行

文献概要

連載 網膜硝子体手術手技・31

裂孔原性網膜剝離(6)―巨大裂孔網膜剝離の硝子体手術

著者: 岩田英嗣1 浅見哲1 寺崎浩子1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座眼科学

ページ範囲:P.1060 - P.1065

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はじめに

 巨大裂孔は,円周方向に90°以上の広がりを示す裂孔のことをいう。巨大裂孔による網膜剝離は裂孔縁の挙上,剝離網膜の翻転を伴っていることが多く,網膜剝離手術の中でも治療困難な疾患の1つであった。これまで,巨大裂孔網膜剝離の治療のために対面通糸法1),網膜鋲2)などさまざまな工夫がなされてきた。

 1987年にChang3)により報告された液体パーフルオロカーボン(perfluorocarbon liquid:PFCL)の使用により,仰臥位における術中の網膜の復位が得られるようになったため,手術手技が画期的に進歩し,手術成績は向上した。しかしながら,すべての症例が硝子体手術の適応になるわけではなく,裂孔の大きさ,剝離の範囲,網膜の翻転の有無,増殖硝子体網膜症の有無,水晶体の状態,年齢などを十分に考慮し,術式を選択する必要がある。

参考文献

1)臼井正彦・高野 繁・松尾治亘:巨大裂孔網膜剝離に対する対面通糸法.眼科 21:423-431,1979
2)Ando F, Kondo J:A plastic tack for the treatment of retinal detachment with giant tear. Am J Ophthalmol 95:260-261, 1983
3)Chang S:Low viscosity liquid fluorochemical in vitreous surgery. Am J Ophthalmol 103:38-43, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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