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連載 網膜硝子体手術手技・32
増殖硝子体網膜症(1)
著者: 牛田宏昭1 浅見哲1 寺崎浩子1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座眼科学
ページ範囲:P.1248 - P.1252
文献購入ページに移動増殖硝子体網膜症(proliferative vitreoretinopathy:PVR)は,裂孔原性網膜剝離の5~10%に続発する。その発生に重要な役割を果たしているのが網膜色素上皮(retinal pigment epithelium)細胞であり,裂孔形成に伴う網膜色素上皮細胞の硝子体腔への遊走,増殖が増殖硝子体網膜症の主因と考えられている。網膜上や網膜下に形成された増殖膜が収縮することで網膜に不規則な皺襞を生じたり,術後の再剝離の原因1)になる。
Tsengら2)は,裂孔原性網膜剝離への増殖硝子体網膜症の合併には剝離の持続期間,術前視力,剝離の範囲が危険因子として関係していると述べている。また他の危険因子として,硝子体出血,大きな裂孔,硝子体手術・冷凍凝固・気体注入などの手術の既往,外傷などがある。
本稿では,増殖硝子体網膜症の分類と硝子体手術の実際的な手技に関して述べる。
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