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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻8号

2009年08月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

コンタクトレンズ装用による感染性角膜炎

著者: 鎌田理佳1 門田遊1 杉田稔1 岩田健作1 上原浩嗣1 山川良治1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.1285 - P.1289

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要約 目的:感染性角膜炎が発症したコンタクトレンズ装用者が使っている保存液を検索した報告。対象と方法:過去7年間に感染性角膜炎が発症したコンタクトレンズ使用者20例21眼を対象とした。男性15眼,女性6眼で,年齢は15~58歳(平均27歳)である。20眼がソフトコンタクトレンズを用いていた。13眼は受診前に他医で治療を受けていた。病巣部の角膜擦過物とコンタクトレンズ保存液の鏡検または培養を行った。結果:8眼の病巣と13眼の保存液から菌が検出された。緑膿菌が最も多かった。検出菌を参考に治療し,それぞれ8眼中6眼(75%)と13眼中11眼(85%)で軽快した。両群間に有意差はなかった。結論:コンタクトレンズ保存液から分離された病原菌は,感染性角膜炎の治療の参考になる。

参考文献

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3)中林 條・美川優子・沖波 聡:佐賀医科大学における最近10年間の感染性角膜潰瘍の検討.眼紀 53:368-372,2002
4)感染性角膜炎全国サーベイランス・スタディグループ:感染性角膜炎全国サーベイランス分離菌・患者背景・治療の現況.日眼会誌 110:961-971,2006
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12)McLaughlin-Borlace L, Stapleton F, Matheson M et al:Bacterial biofilm on contact lenses and lens storage cases in wearers with microbial keratitis. J Appl Microbiol 84:827-838, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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