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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻8号

2009年08月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

感染性角膜炎34例の分離菌と視力予後

著者: 相澤奈帆子1 横倉俊二1 久保田享1 西田幸二1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座眼科・視覚学分野

ページ範囲:P.1337 - P.1340

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要約 目的:感染性角膜炎の分離菌と菌別の視力転帰の報告。対象と方法:過去13か月間に受診した感染性角膜炎34例34眼を対象とした。男性16例,女性18例で,年齢は15~87歳(平均64歳)である。視力はlogMARで評価した。結果:培養により19例で菌が分離され,細菌12例,真菌5例,アカントアメーバ2例であった。治療により細菌群8例,真菌群1例,アカントアメーバ群2例で2段階以上の視力改善が得られた。結論:感染性角膜炎の56%で菌が分離され,細菌,真菌,アカントアメーバが含まれた。真菌群では細菌群よりも視力回復が困難であった。

参考文献

1)感染性角膜炎全国サーベイランス・スタディーグループ:感染性角膜炎全国サーベイランス―分離菌・患者背景・治療の現況.日眼会誌 110:961-972,2006
2)Thebpatiphat N, Hammersmith KM, Rocha FN et al:Acanthamoeba keratitis. A parasite on the rise. Cornea 26:701-706, 2007
3)高岡紀子・廣渡崇郎・太刀川貴子・他:早期診断・治療開始によって治癒したアカントアメーバ角膜炎の1例.臨眼 61:1879-1883,2007
4)狩野 廉・川崎厚史・細谷比左志・他:最近5年間の細菌性角膜潰瘍.眼紀 45:1318-1322,1994
5)兼松誠二・楠島康平・内藤 毅・他:最近7年間における細菌性角膜潰瘍の検討.眼紀 39:1743-1747,1988
6)杉田美由紀・田中直彦・磯部 裕・他:細菌(真菌)性角膜炎の最近7年間の統計.臨眼 41:629-633,1987
7)北川和子・都築春美・佐々木一之:細菌性角膜炎の検討.眼紀 37:435-439,1986
8)北川和子・浅野浩一・佐々木一之:最近6年間に経験した細菌性角膜炎.眼科 34:1259-1265,1992
9)北川和子・藤沢来人・佐々木一之:細菌性角膜感染症―重症例の検討.眼紀 37:1341-1346,1986
10)北村絵里・河合正孝・山田昌和・他:感染性角膜炎に対する細菌学的検査の意義.眼紀 55:553-556,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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