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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻9号

2009年09月発行

文献概要

特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

防腐剤を含まない塩酸カルテオロール点眼薬(ブロキレート®PF点眼液)の検討

著者: 大木弥栄子1 秦裕子1 塩田洋1

所属機関: 1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部眼科学分野

ページ範囲:P.1463 - P.1466

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要約 背景:角膜上皮を保護する目的で,防腐剤を含まない緑内障点眼薬が発売されている。目的:2%塩酸カルテオロールを主成分とするブロキレート®PF点眼薬の臨床的な評価。対象と方法:通院中の緑内障患者19例33眼を対象とした。男性10眼,女性23眼で,年齢は平均63.4±12.5歳であった。全例をブロキレート®PF点眼薬に変更し,1年以上の経過を追った。変更の理由は,ドライアイ16眼,薬剤性角膜障害12眼,対側眼の変更に伴うもの5眼である。結果:点眼変更後1か月で8眼(24%)の角膜障害が改善した。眼圧コントロールが不良なため6眼で他の薬剤に切り替えた。結論:緑内障の治療では,複数の点眼薬を長期間使用することが多い。この意味で,防腐剤を含まない点眼薬を使う意義がある。

参考文献

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9)亀井裕子・藤沢佐代子・手塚総一・他:各種防腐剤の抗菌力と臨床的意義.日コレ誌 35:231-237,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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