icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科63巻9号

2009年09月発行

文庫の窓から

『太平聖恵方』

著者: 中泉行弘1 林尋子1 安部郁子1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.1542 - P.1545

文献概要

宋・2代皇帝大宗の勅命の医書

 北宋(960-1127)の初年,政府は太医署(後に太医局と改称された)を設置し,ここが医療行政や医学教育の核となっていた。国の基盤が安定するに従って医書の編纂事業も進められ,第2代太宗(939-997)の時には『太平聖恵方』100巻(992)が成ったのである。医学教育には『難経』『素問』『諸病源候論』『太平聖恵方』が使われるようになって発展し,医学教育や医官の制度に組み込まれる地域は中央から地方へと広がっていったとみられる。

 『太平聖恵方』については,本誌57巻9号(2003)に「『太平聖恵方』所載の眼病名の種類」というタイトルでご紹介している。所蔵の本の詳細についてはすでにご報告済みなので,今回はさらに別の視点からこの100巻の医書をみていきたいと思う。

参考文献

1)服部敏良:室町安土桃山時代医学史の研究.吉川弘文館,1971
2)岡西為人:中国醫書本草考.井上書店,1974
3)吉田荘人:中国の医学史.漢方医学 19(10):334-335,1995
4)小曽戸洋:中国医学古典と日本.塙書房,1996
5)傳維康・呉鴻洲(編),川井正久(編訳):中国医学の歴史.東洋学術出版社,1997
6)周藤吉之・中嶋 敏:五代と宋の興亡.講談社学術文庫,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら