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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻10号

2010年10月発行

文献概要

連載 つけよう! 神経眼科力・7

見落としがちな近見反応とその異常

著者: 石川均1

所属機関: 1北里大学医療衛生学部視覚機能療法学

ページ範囲:P.1670 - P.1674

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正常近見反応とは?

 近見反応とは見たいものが近づいたとき,または近くのものを見るときに生ずる反応で,まず物体が近づいたときに複視を自覚し(両眼視差),その補正のため,およそ160msecの潜時を経て輻湊が生じ,250~300msecの潜時を経て像のぼやけ(網膜像のぼけ)の補正のため,水晶体が厚みを増し調節が生ずる。最後に球面収差,色収差などを軽減させるため補助的に縮瞳が生ずる。この3者は中枢でお互いに連関しており,年齢により反応は若干異なるものの正確に同期して生ずる。

 この反応のうち輻湊,縮瞳はペンを近づける,遠ざけるなどの簡単な診察で観察可能である。調節に関しては肉眼観察は不可能であるが,上述のように3者は同時に働くので容易に推測できよう。次に異なる測定機器を用いて正常な近見反応を計測した結果を記載する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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