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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻10号

2010年10月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

水痘発症後の小児ぶどう膜炎の1例

著者: 田中寛1 丸山和一12 安原徹1 永田健児1 丸山悠子12 多田玲1 木下茂1

所属機関: 1京都府立医科大学視覚機能再生外科講座 2京都府立与謝の海病院眼科

ページ範囲:P.1723 - P.1727

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要約 目的:水痘の発症後に生じた汎ぶどう膜炎に治療が奏効した小児の報告。症例:9歳男児が視力低下で受診した。3週間前に水痘が発症し,皮疹が5日間続いた。発症と同時に左眼の充血と視力低下があった。所見:視力は右1.5,左0.7で,左眼に前房の炎症,硝子体混濁,網膜静脈の白線化,網膜滲出斑があった。急性網膜壊死に準じてアシクロビル点滴を開始した。2週間後に視力が1.5に改善し,バラシクロビル内服に切替えた。初診から3か月後には炎症性病変は鎮静化した。全経過中,右眼には病変はなかった。結論:水痘に続発した片眼性の汎ぶどう膜炎に対し,急性網膜壊死に準じた薬物療法が奏効した。

参考文献

1)須賀定雄:ウイルスの潜伏感染と活性化.2.水痘帯状疱疹.治療学 32:16-19,1998
2)蕪城俊克:ヘルペス性虹彩炎・毛様体炎.岡田アナベルあやめ(編).眼科プラクティス16.眼内炎症診療のこれから.106-109,文光堂,2007
3)臼井千絵・吉川哲史:水痘,帯状疱疹.小児科診療 68:2278-2284,2005
4)坂井順一・薄井紀夫:Polymerase chain reactionにより水痘帯状疱疹ウイルスが検出されたぶどう膜炎の4例.あたらしい眼科 9:447-452,1992
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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