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文献概要
特集 新しい時代の白内障手術 Ⅰ.感染予防
手術室環境と器具
著者: 山西茂喜1
所属機関: 1松山赤十字病院眼科
ページ範囲:P.30 - P.34
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白内障手術などの内眼手術後に生じる感染性術後眼内炎の発生頻度は,滅菌法などの感染予防が一般化することによって時代とともに減少してきている。白内障術式も水晶体囊外摘出法から超音波乳化吸引術へと切開創が小さくなり,それに伴い眼内炎の発症率は0.1%以下へと低下1~3)したが,発症すれば視力障害を残す例も多くあり,われわれ眼科医は眼内炎を根絶するための努力を惜しんではならない。
白内障術後眼内炎の起炎菌としては結膜や眼瞼皮膚の常在菌が多いとの報告4)があり,皮膚や結膜の消毒,ドレーピングなどが大事であることはいうまでもない。さらに,病院工事中のアスペルギルスによる白内障術後眼内炎5)などに代表されるように,手術室環境も術後眼内炎防止には非常に重要である。手術室の設計にあたっては,これら空調設備,洗浄水,器具の滅菌設備などの点についての知識が必要であるし,勤務医のように自らが手術室を設計しなくても,これらを知ることで現在の設備を十分に活用することが可能になると思われる。
白内障手術などの内眼手術後に生じる感染性術後眼内炎の発生頻度は,滅菌法などの感染予防が一般化することによって時代とともに減少してきている。白内障術式も水晶体囊外摘出法から超音波乳化吸引術へと切開創が小さくなり,それに伴い眼内炎の発症率は0.1%以下へと低下1~3)したが,発症すれば視力障害を残す例も多くあり,われわれ眼科医は眼内炎を根絶するための努力を惜しんではならない。
白内障術後眼内炎の起炎菌としては結膜や眼瞼皮膚の常在菌が多いとの報告4)があり,皮膚や結膜の消毒,ドレーピングなどが大事であることはいうまでもない。さらに,病院工事中のアスペルギルスによる白内障術後眼内炎5)などに代表されるように,手術室環境も術後眼内炎防止には非常に重要である。手術室の設計にあたっては,これら空調設備,洗浄水,器具の滅菌設備などの点についての知識が必要であるし,勤務医のように自らが手術室を設計しなくても,これらを知ることで現在の設備を十分に活用することが可能になると思われる。
参考文献
1)Wejde G, Montan P, Lundstrom M et al:Endophthalmitis after cataract surgery in Sweden:national prospective survey 1999-2001. Acta Ophthalmol Scand 83:7-10, 2005
2)Miller JJ, Scott IU, Flynn HW Jr et al:Acute-onset endophthalmitis after cataract surgery(2000-2004):incidence, clinical settings, and visual acuity outcomes after treatment. Am J Ophthalmol 139:983-987, 2005
3)大鹿哲郎:白内障術後眼内炎:発症頻度と危険因子.あたらしい眼科 22:871-873,2004
4)日本眼科手術学会術後眼内炎スタディグループ:白内障に関連する術後眼内炎全国症例調査.眼科手術 19:73-79,2006
5)Tabbara KF, al Jabarti AL:Hospital construction associated outbreak of ocular aspergillosis after cataract surgery. Ophthalmology 105:522-526, 1998
6)中谷義宣:病院空調設備の設計・管理指針(HEAS-02).空気清浄 37:199-209,1999
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